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大平原のハイウェイ・ドライブの巻

illinois-drive.jpg  シカゴ近郊は、イリノイ州の別名がプレーリー・ステート(大平原州)といわれる通り、ほんの1時間も走ればあれだけの大都会が嘘のように、地平線の彼方まで見渡す限りのトウモロコシ畑が広がる景色に変わる。 
 この辺りのイメージは、アルフレッド・ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」を観て頂ければよくわかってもらえると思う。 そういうわけで地理勘のないうちは、ハイウェイを降りたとたんに目印になるものが一切無いのっぺりとした中西部特有光景に戸惑うことも多い。 特に冬場などは、果てしなく広がる畑にも作物がなくむき出しの土壌が姿をさらしているか、一面の雪景色という一切刺激のない画一的な景色があるのみ。 
 ただし注意して目を凝らしてみると、時折ぽつん、ぽつんといった感じで大平原の小さな家が、一軒だけで周囲とは完全に孤立して建っている。 日本人の感覚で行くと、そんな家で目を覚ました朝に窓の外を見渡せば、な~んにも障害となるものがなく、視力の限界までただ空間が広がっているような景色というのは異様である。 まるで禅マスターの脳裏のように、そこにはただ空と大地があるのみなのだから。 
 こういう景色の中で育った人物というのは、明らかにシカゴの街中で育った人たちとは、人種が違うものだ。 そう確信したのは、ある友人宅に泊めていただいた時に、彼ら家族の結束力と、世の中の流れとは一線を隠した生活様式を体験してからである。 うまく言葉では言い表せないが、とにかく彼らはうらやましいくらいに完全に彼らの世界の住人であった。 
 真っ白なキャンバスに、毛筆でふと点を垂らしたような大平原の小さな家。 そんな家で暮らす人のことを考えながら、視界を遮る物がないだけに圧倒的な大きさで広がる空と雲と大地を眺め、中西部特有の大平原の中を突っ切るハイウェイをドライブしてみるのも悪くない。
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