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アイリッシュの多いシカゴでの巻 その3

patricks-downtown.jpg アイリッシュのヨーロッパでの歴史、新大陸での活躍を2回に分けて紹介してきたが、今回はここシカゴでのアイリッシュについて紹介したいと思う。

 19世紀から20世紀初頭にかけて、イギリスによる過酷なアイルランド統治と、ジャガイモ飢饉(1845-1849)の影響で、数多くのアイリッシュが海を渡ったことはすでに紹介した。 シカゴへは1830年代からアイリッシュ移民が顕著な存在となりはじめ、それ以降の移民ラッシュにより1850年代には市民の1/5がアイリッシュという状況にまでなった。 この時代のシカゴ・アイリッシュ史として、シカゴ史における重要な転換期である1871年のシカゴ大火を起こしたのが、アイリッシュ移民のPatrick and Catherine O'Learyであるという不名誉な記録も残っている。 

 シカゴでのアイリッシュの活躍も、他のアメリカの大都市での状況と同じくいわいるブルーカラーとしての労働者としてはじまったが、サウスサイドにある程度かたまって住んでいたとはいえ、他のエスニック・グループのようにゲットーを作らず、最貧層からの脱却も早かった理由として、彼らが英語を理解し、アングロ・アメリカンやプロテスタントとの共生の仕方を、アイルランドの長いイングランド支配を通して学んでいたことなどが挙げられる。 またその移民数の多さと教育レベルの高さから、イタリア、チェコ、スロバキア、ポーランドなどのカソリックに属するエスニック・グループのリーダー格としての地位を築き、シカゴにおけるカソリック教会創設時から1916年までは、一人を除いて全員がアイリッシュの司教という状況であった。

 そうやってアイリッシュ・シカゴアンの経済的地位は少しづつ向上してきたとはいえ、南北戦争前にはシカゴ・トリビューンの社説でもアイリッシュならびにカソリックに対する非難が取り上げられるなど、世間的には厳しい目が向けられた。 さらに1880~90年代にはAmerican Protective Associationによるアイリッシュならびにカソリックの非雇用宣言がなされ、 1920年代まではKu Klux Klan(KKK)による激しい攻撃が続いた。

 その一方で愛国心の強いアイリッシュ達は、1860年代にClan na Gaelという組織を結成し、1880年代にはCharles Stewart Parnellをリーダーとし、1890年代には Home Rule failedを通してアイルランドのイギリスからの独立を援助し続けた。 1916年のダブリンでの独立闘争の失敗を受けて行われた、1918年の選挙の不正を受けて、1919~21年にIRAとイギリス政府との間で続いた闘争においても、アイリッシュ・シカゴアンは援助を続け、その結果ノーザン・アイルランドを除くアイルランドは独立を勝ち取った。 しかしながら1960年代以降におけるノーザン・アイルランドの状況の悪化を受けて、Ancient Order of Hiberniansをはじめとするアイリッシュ・シカゴアンの援助は活気を取り戻しつつあるようだ。

 以上のようにアングロ・アメリカンやプロテスタントへの偏見是正、そしてアイルランド完全独立を目指して活動を続けるアイリッシュ・シカゴアンだが、エスニック・グループに対するカソリック教会でのリーダー的地位などもあって、そのほとんどが属するデモクラティック・パーティを中心とした市の政治においては、信じがたいほどの才能を発揮している。 John Hopkins (1893-1895), Edward F. Dunne (1905-1907), and William E. Dever (1923-1927),Edward J. Kelly (1933-1947), Martin J. Kennelly (1947-1955), and Richard J. Daley (1955-1976),Jane Byrne (1979-1983) and Richard M. Daley (1989-)と、現在ではシカゴ市民に占めるアイリッシュ・シカゴアンの比率は6%ほどであるにもかかわらずに、なんと8人もの市長を輩出していることからもそのことは十分に理解していただけると思う。

 また文化面でも、近年のアイリッシュ・シカゴアンの活躍は目覚しく、マーク・ハワードによる1979年創設の世界タイトル18度獲得のアイリッシュ・ダンス・カンパニー:トリニティをはじめ、マイケル・フラトリーによるご存知リバーダンスやロード・オブ・ザ・ダンス、アイリッシュ・シカゴアンによるパフォーマンスが観れるChicago's Irish Theatre、今年で第6回目を迎えるアメリカ国内唯一のアイリッシュ・フィルムフェステバルなどがある。

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*写真はシカゴ名物の川まで緑に染めるセントパトリックスデー・パレード! 緑に染まった川が見たい人は、セントパトリックスデー直前の週末に、ミシガンアベニューのリグリービルディング前へ。 またダウンタウンで開催されるセントパトリックスデー・パレードは、同じ週末の土曜日にグラントパーク前にあるColumbus(Balbo Dr.~Monroe Dr.)へどうぞ。 (2005年:3/12)

*アイリッシュ・シカゴアンの素顔が見たければ、このYoung Irish Fellowship Club of Chicagoを開いてみてください。

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コメント (9)

こんにちは。
あー、これがTAMAさんの言ってらした「緑色の川」なんですね・・・
すごい( ̄▽ ̄;)びっくりですー。
何で色をつけてるんでしょう?
ジャスミンの香りの入浴剤を思い出してしまいました。

トラックバックありがとうございます。

St. Patrick's Dayについて詳しく書いてあって勉強になりました。
本当に緑色の川だ~!!初めて見ました。
話に聞くとこの緑色はFood Coloringだから環境には優しいんでしょうか!?!?

これからもよろしくお願いします。

ギョギョッ。緑の川・・・えげつない・・・。
でも、見てみたい!(苦笑)
これなら、きっとダブリンのイベントの方が小規模ですね・・・。

sushiサンのブログはとても勉強になります。
アイルランドに住んでおきながら、知らないことだらけで・・・。(恥)
週末にアイルランド西部をプラーッと旅してきました。
小さな小さな村のアイリッシュパブでダラリーン♪
素朴なおいちゃんやラガーシャツのにいちゃんが集まる、懐かし~い感じのパブでした。
田舎好きの私にはたまらない誘惑です。あー。・・・引越ししたーい。

sushi:

 KYO@ブリスベンさんh、 TAMAさんのブログの背景じゃあありませんが、環境に優しい、体に優しい(!?)色だそうです・・・。 でもってご指摘の通りな、いかにもバスクリンを想像させる色しています。

 ピンカエルさんへ、 緑の川はさすがにやり過ぎではないの?って感じですよね。(笑) でもって、色は上のコメント通りです。

  Missyさんへ、 小さな小さなアイリッシュパブでダラリーン♪って良いですねえ。 そういう昔ながらのアイルランドが残る所へいつか旅してみたいです。

TAMA:

今度こそトラックバック…反映されてますか?ちょっと心配。
しかし見事な緑色ですね。。。。これは何て言う名前の川なんでしょう?ちょっと地図で調べてみたいような。

ac:

はじめまして。
18まで出張でシカゴに来ています。
来るにあたってだいぶブログを参考にさせていただきました。ありがとうございます。
12に着いたのですがちょうどパレードの日だったようで。ミシガンアベニューに来た頃にはパレードは終了していたのですが、川が人工的な緑でぎょっとしました。
いまだ緑ですよね。いつになったら色は抜けるのでしょうか。
バーの店員さんが緑の帽子をかぶっていたりクローバーのモチーフをつけていたりとなかなかかわいい時期に来たみたいで、来る前はこのようなパレードは知らなかったのでちょっと得した気分です。
あやかって?ギネス飲んでおきました。

sushi:

 TAMAさんへ、 今度はちゃんとトラバ反映されているみたいです。 やった!(笑) 世間にはトラバを嫌がる人もいるみたいですが、当ブログではブログ製作者MINAさんの意思に則ってトラバ大歓迎なのです。 ちなみにこの緑に染まる川の名前は・・・、そのまんまシカゴ川です。

  acさんへ、 確かにあの緑は「ぎょっ」という表現がぴったりですよね。 ブログを書いていて一番うれしいのは、読者の方の反応の中に「だいぶブログを参考にさせていただきました」のような言葉をいただける場合です。 これからもよろしくお願いします。

こんにちわ♪
こちらのSt Patrickはいつだったんだろうと思ってしまいます。
そう言えば今日行ったTrader's Joeの店員さんが
グリーンの帽子をかぶっていました。
しかし川までグリーンなんて凄いですね。(^_^)

sushi:

 川を染めるのはさすがはアメリカって感じですよね。 もうアイリッシュとはいえども、”アメリカ”のを絶対に付けるべきだと思ってます。

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2005年03月14日 15:28に投稿されたエントリーのページです。

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