アーミッシュっていったいどんな人達なんだの巻

armish.jpg アーミッシュという人達がいるのをご存知だろうか? 日本ではジプシーユダヤ人といった、祖国を離れながらも同族で強い絆を保って暮らす民族については良く知られているが、アーミッシュという人達についてはほとんど知られていないといような気がする。 このアーミッシュ達が、中西部でもミネソタ州やオハイオ州など、いくつかの地域にコミュニティーを作って暮らしており、シカゴでも時折彼らの姿を見かけることができる。
 アーミッシュは、16世紀にヨーロッパで吹き荒れた、マルティン・ルターらによる宗教改革の嵐の中で生まれた。 彼らは幼児洗礼を認めず、16歳から18歳ころの成人と認められる年齢に達すると、本人の意思で洗礼を受けるか受けないかの決断を委ねられる。 このことから再洗礼派(アナバプティスト)と呼ばれるようになる。
 1525年にオランダ再洗礼派のメノー・シモンズが再洗礼派を組織化し、メノナイトと呼ばれるグループを作り上げる。 度重なる迫害を受けながら結束を固めた彼らは、ドイツで起こった30年戦争(1618-48)を機にドイツ南部から、フランス国境、スイスへと逃れる。 そんな中でスイス・メノナイトのヤコブ・アマンは、メノナイトが失いつつあった純粋性を取り戻すために、1693年にメノナイトを離れてアマン派(アーミッシュ)と呼ばれるグループを形成する。
 その後のルイ14世による征服と追放などにより、行き場を失ったアーミッシュ達は、クウェーカー教徒ウィリアム・ペンの考えに同調して、アメリカ大陸への移住を決意する。 そしてこの時に大西洋を渡った彼らの子孫は、アメリカ合衆国28州とカナダで20万人以上のコミュニティーを現在も形成し続けている。 ただし彼らが生まれたヨーロッパには、すでにアーミッシュは存在していないということである。
 ヨーロッパでの迫害と殉教の歴史は、アーミッシュ達が一家に必ず持っているといわれる、殉教者の鏡という本になって今も読み続けられている。 アーミッシュの人々は、この殉教者の鏡、賛美歌、そして聖書の3冊を読む能力と、男性は畑仕事、女性は家事ができればそれ以上の勉学は必要なしとされ、大学教育などは忌み嫌われており、特別な理由を除いては教会から許可が出ないということである。
 コミュニティー以外の人達には、何かと謎の多いアーミッシュの人達だが、何といっても人々の目を引くのはその服装と、生活様式。 パッと見でも彼らだとすぐに判断できる、男性はサスペンダー付の黒っぽい作業服に黒っぽい淵付帽子、女性は薄めのブルー系に染まった裾の長いワンピースに、きっちりと結わえた髪型と、白のオーガンジー帽子といういでたち。 
 さらに現代生活を拒否するかのような、機械化を極力避けた生活様式。 例えば、自家用車や自宅への電話機設置は認められず、旅に出るときや、村で共同の公衆電話の設置のみ許可されるという。 さらには電気を使用する為の電線を引くことも許されず、電気は小型の自家発電機のみ許可されるという徹底振り。 そういうわけでTVやパソコンなどはもってのほかで、とにかくコミュニティーの範囲から外へと繋がる移動手段や、情報網に関してはかなりの神経質さを発揮する。
 そんな彼らは、彼ら独自の言語である通称ペンシルバニア・ダッチと呼ばれる、ドイツ語由来の言葉を話し、バギーと呼ばれる馬車をメインの交通手段として、自分たちのコミュニティーを固く守りながら、強い団結の元で暮らしている。
 アメリカ国内でアーミッシュといえば、まずは近代文明を拒絶しながら質素に暮らす、酪農品や手作り家具などを特産品として出荷する、ちょっと気になる人々といったところだろうか。 自分自身も、シカゴの街中で数回ほど彼らの姿を目にしたことはあるのだが、彼らに関する情報は、いろんな文献や人からの聞き伝えだけで、直接彼らからの情報を得たということはまだない。 おそらく日本での資料は、数少ない書籍を除いては、ハリソン・フォード主演の目撃者―刑事ジョン・ブック(1985)くらいのものではないだろうか。
 アメリカという超近代国家で暮らす、前時代的な生活様式の人々。。。 しかし気になる存在ではある。
 いつも応援ありがとう!banner_03.gif
*メルマガ(まぐまぐ無料配信)始めました。 興味のある方は、ここから登録していただけます。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Share on LinkedInShare on Tumblr

6 Comments

  1. 返信
    H.O 17/06/2005

    僕がアーミッシュを知ったのはかなり前で、日本の何かのTV番組ででした。
    でも確かに仰るように日本ではあまり知られていないと思います。僕も北米の文化に興味があったから見ていたし・・。
    その時の番組の内容では、一部の人達(アーミッシュの方)が現代文化に触れ始め、ちょっと問題を起こしつつあると。
    彼らの中でもジェネレーションの違いはあるでしょうから、僕も興味深く見ていましたよ(^^)
    今回、更に彼らのことが勉強になりました(^^)

  2. 返信
    sushi 22/06/2005

      H.Oさんへ
     最近アメリカで、アーミッシュの村で育ったTVも見たことがない若者を、大都会へ連れ出していろんな体験をさせるというTV番組があって、かなり話題(議論)を提供していました。
     自分もまだまだ知らないことの多い彼らですが、興味は大変あります。

  3. 返信
    H.O 22/06/2005

    sushiさん、それは凄い話ですね!なんか日本のバラエティ番組のノリですね・・・(^^;

  4. 返信

    理科の授業がだめなら哲学の授業にしてしまおう

     前回はペンシルべニアで起こったインテリジェント・デザイン(ID)訴訟でしたが、今回はカリフォルニアでの訴訟です。ID説が科学として認められないので理科の授業で…

  5. 返信

    理科の授業がだめなら哲学の授業にしてしまおう

     前回はペンシルべニアで起こったインテリジェント・デザイン(ID)訴訟でしたが、今回はカリフォルニアでの訴訟です。ID説が科学として認められないので理科の授業で…

  6. 返信
       06/10/2010

    テクノストレスとか、異様な能率化してる現代日本も鬱や過労死ふえてるしな。日本にも似た団体あった気はするけど…もうパソコンやコンビニは手放せない。そもそも、都市がそういうものの利用を前提に成り立ってるから個人じゃ無理だしなあ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA