ゴーストタウンという名の町の巻

yellowstone005.jpg シカゴのあるイリノイ州を発ってから、ウィスコンシン州、ミネソタ州とI-90をひたすら北西へ走り続けてサウスダコタ州に入り、ミズーリ・リバーを越えた辺りから、周りの景色がそれまでの玉蜀黍畑から半荒野の牧場地帯へとゆるやかに表情を変えた。
 広大な土地が地平線の彼方まで、ただただどこまでも広がっているという景色にはやはり変わりは無いのだが、それまでのまっ平らな大草原ではなく、緩やかな丘陵地帯にポツリポツリと草を食む牛の姿が遠くの方に見えるという感じに変わってくるのだ。
 車を降りてみると、顔に当たる風も心なしかそれまでに比べて乾いたものに変わっているのを感じることができた。 そしてその乾いた風が、西へ西へと向かうほどにさらに人の気がなくなってくる荒野の景色とあいまって、「なんだか遠くに来たんだなあ」という感慨を思い起こさせてくれた。
 これまでにもアメリカでは都市部や南部のデルタ地帯、西部劇に出てくるような景色なんかの中をいろいろとドライブしてきたが、この空っぽな空間がただただ広がる景色はそれらとはまったく違って、夢の中である日突然世の中から人という人が消えてしまったんじゃあないのかと錯覚させてくれるような寂しさがあった。
 ハイウェイ上ですら行き交う車が少なくなってくる、そんなサウスダコタの寂しい景色の中で、ローカルな雰囲気を味わってみるためにハイウェイを降りて地元の町とも呼べないような町へ立ち寄ってみた。
 その町の名は、ゴーストタウン・・・。 栄えている町がゴーストタウンになるのならともかく、その町は生い立ちの時点からしてすでにゴーストタウンと名づけられるに相応しいような、風と雲だけが漠然と広がっているような土地にぽつんとあった。
 まああえていうなれば、ゴールドラッシュに沸いてとか、オイルラッシュに沸いてとかいうのではなく、かつては牧場を管理するカウボーイもいたが、その過酷な労働条件の割には利益の少ないこの荒野に張り付いて生きているよりは・・・と、若者がまたひとり、そしてまたひとりと去っていったとでもいった感じを漂わせていた。
 こんな旧式なポンプがまだ存在していたのだと思わせるようなガソリンスタンドや、草臥れた板塀のポストオフィス、そして「もしかしたら、食料品までアンティークじゃあないよね?」と思われるくらいにホコリっぽい空気が満ちたグロッサリーストアと、町としての機能は一応揃ったこのゴーストタウンだったが、町の人はもしかしたら全員親戚一同というのも冗談ではなくありえそうな雰囲気で、町外れには誇らしげに町民数13と表記されていた。
読後の一押しお願いします。banner_03.gif
*シカゴのことならUS新聞ドットコムをチェック。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Share on LinkedInShare on Tumblr

2 Comments

  1. 返信
    maki 23/07/2006

    写真、なんだかアメリカ~~って感じですね。
    私もミネソタ州のケロッグという人口600人ほどの町にすんでたのですが、それはそれはアンティークな町でした。
    あ~もう一度行きたい。。。

  2. 返信
    sushi 23/07/2006

    maki さんへ
     人口600人というのもすごい町ですね。
    日本人はもしかしたら maki さんだけだったのでは!?
    自分は通りすがりでこの手の町を見てきましたが、まだ実際に住んだことはないので、 makiさんの体験はちょっとうらやましかったりします。
     これからもよろしくお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA