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朝焼けのイエローストーンの巻

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 初日からいきなり大物の鱒を釣り上げて好い気になった自分は、さっそく翌朝も日が昇る前の4時半にはテントから這いずり出て、キャンプサイトからほど近くのところに流れるイエローストーン・リバーへと竿を振りに出かけた。

 朝日が昇る前のイエローストーンというのは、誰もいない上に真っ暗で、ちょっと不気味な森という雰囲気も漂っていたが、日が昇ってくるにつれ、遠くの山間から立ち上る温泉の蒸気や、川面から流れとともに静かに下ってくる朝霧が、なんとも言えない幻想的な世界をつくりあげていった。

 誰もいない、静かな朝焼けのイエローストーン・リバー。 そこで奥さんと二人で静かにサンドウィッチの朝食を摂った後で、竿を振る贅沢。 こんな体験をしたくて、シカゴからわざわざここまでドライブしてきたのだから。 映画リバーランズ・スルー・イットの美しい情景が、今こうやって目の前にあるのだ。

 こういうところで、人生初のフライフィッシングを楽しめたことを、神に感謝すべきだなあと心底思った。 汚れの無い朝一のフレッシュな空気をゆっくりと吸い込みながら、呼吸を静かに整えてリズム良く竿を前後に振る。 少しずつ少しずつ伸びていきながら、上空でヒュンヒュンという小気味良い音を立てて踊るフライライン。

 この夢の中のような場がそうさせるのか、初めてのフライフィッシングだというのに思いのほかラインは朝霧の立つ川面へ向かってふわりと、スムーズにキャスティングできた。 もちろんこういう場所が場所なだけに、そのシチュエーションに酔ってしまって、勝手に満足していただけということも多分にあるだろうけど・・・。

 とにかく魚は一匹も釣れなかったが、こういうところで竿を振れただけでも満足すべき、素晴らしい情景のイエローストーン・リバーであった。 霧が晴れてきて鏡のような川面を通した対岸には、静かに朝食の草を食むバッファローの姿があった。 

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2006年08月17日 07:25に投稿されたエントリーのページです。

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